さて、さとう農園の2022年度栽培実績を共有します。
当園のくだものは全て、除草剤不使用、化学合成肥料不使用です。さらに、桃、テラスのシャインマスカット、柿については有機JAS認証農薬のみで栽培し、化学合成農薬は使っておりません。
さて、扇子仕立てにして3年目の実績について、農薬の使用量、売上、その他栽培についてまとめてみました。
【化学合成農薬成分使用回数】
年度 成分数 削減率※
2019 1 97%
2020 2 94%
2021 2 94%
2022 3 91%
梨も化学合成農薬不使用を目指していますが、2022年度は実現しませんでした。
4月後半からアブラムシに襲われ、有機JASの『粘着くん』だけでは抑えられず、やむなく『モスピラン』を2度使用しました。
また、6月に入ると赤星病が大発生したため、やむなく『ベンレート』を使用しました。
【売上】
年度 売上高
2019 16,300円
2020 35,550円
2021 104,366円
2022 129,310円
この2種の病害虫により、大きな被害を出ました。特に、赤星病の影響を受け、大きく果実に影響がでたのが『南水』で9割がたダメだったでしょうか。。。
その他、何とか収穫までこぎつけ、売上は直売所での販売し、前年比20%増程度で乗り切ることが出来ました。
ただ、やはり、病気と虫の影響で収量は見通せず、歩留まりも非常に悪い年となりました。
【扇子仕立ての具合と来年への抱負について】
扇子仕立て(棚ではなく立ち木栽培)の最大の弱点である強風にやられ、数十個単位で落果してしまいました、、、
<病害虫対策>
赤星病大発生の原因は、スプリンクラーの故障による、樹の上部への無駄な散水が原因と考えられるため、来年は有機JAS資材を使用しつつ、予防を徹底し、化学合成殺菌剤不使用を目指します。
<アブラムシ対策>
アブラムシは毎年なんともしがたいのですが、以下の三点の実践で化学合成殺虫剤不使用を目指します。
1. 枝や葉を過繁茂させない
2. アブラムシ発生極初期に粘着くん散布
3. 適宜な雑草の高刈り(約13cm)によるテントウムシの保護と活用
※雑草が長いままだと、テントウムシは雑草に着いたアブラムシを食べて梨の樹に上がってきてくれない。かといって草を短く刈ると、刈った直後から大量の野鳥が畑に舞い降りて、露になったテントウムシを含めた昆虫を食べつくしてしまう。。。
<落下防止対策>
落果防止については、ちょっといかんともしがたいなぁ。。。
時間的余裕があれば、主枝・亜主枝を三方向から引っ張ることで揺れないよう固定する。
2023年度は化学合成農薬不使用に加え、適宜管理による品質の向上により見た目も味も素敵な梨を育て、樹の成長と歩留まり向上で収量を増やし売上20万円を目指します!!